借金づけと市民犠牲の未来か~
両候補の財政運営方針にみる仙台の未来
2013年8月4日 いのち、緑、平和を守るみんなの会
市民の切実な要求にこたえるのは、どちらの候補か―
選挙戦のなかで、いよいよはっきりしてきました。
奥山候補は、暮らしや福祉、子育て支援の経費を、極力抑制する発言を繰り返しています。被災者の医療費免除は「市が負担するのは、大変むずかしい」(7月23日公開討論会)と拒否。保育所政策では「認可保育所、市立保育所は、お金がかかり、コスト面で問題がある」(同)と、安上がりの保育で子どもも親も保育者も我慢しろと言わんばかりです。敬老パスの利用者負担は「ゼロに越したことはないが、なぜ1割負担もだめなのか」。子ども医療費のワンコイン制度(初診ごとに500円)は「親の負担の可能な範囲」と居直っています。
子育て支援を削ったり、一割負担、ワンコイン負担をしたりすれば仙台市の財政は立て直せるのでしょうか。あるいは、仙台市の福祉の水準が高かったために、市の財政が悪化したのでしょうか。まったく違います。
奥山市長の財政運営は、
「財政計画」をもたず、市財政に大穴をあけ、市民に犠牲を強いるもの
奥山市政の財政運営の特徴は、財政計画をもたないまま進めていることです。その証拠が、3年後に922億円もの「財源不足が生じる」としている奥山市長の「財政見通し」です。お金がないのなら、無茶な公共投資、公共事業はやめればいい話です。今、復興の名のもとに、不要不急のハコモノ建設を無鉄砲に進め、市の財政に自分で大穴をあけ、その結果生じた「財源不足」をタテにして、市民にいっそうの犠牲を強いようとしています。
今年度の公共事業費は、梅原前市政時代の2倍に達しています(1054億円)。国際会議をひらく会議場(20数億円)を建設する計画について、角野候補が「そんなお金があるのなら、被災者の生活支援にあてるべきだ」と指摘すると(公開討論会)、「無駄なハコモノではない。これにより交流人口が300万人増える」(第一声)と言い訳しています。動物公園前に建設中の大駐車場(519台)は、利用者の半分を名取市、村田町、川崎町の人たちを見込むなど、駐車台数の根拠のあいまいなものです。
こうしたハコモノ建設は、膨大な借金をしながら進められています。現在、年間の返済額は700億円、市民ひとりが毎年7万円近く返していることになります。市民がいくら負担増を我慢させられても、それで浮いたお金は、ハコモノと借金返済にあてられ、決して社会保障や財政再建にまわるわけでは、ありません。
角野候補の財政計画~
巨額の積立金を活用。さらに公共事業を抑制し、国の財政措置も引き出す。
暮らし支援と財政再建を同時にすすめる
巨額の積立金を活用。さらに公共事業を抑制し、国の財政措置も引き出す。
暮らし支援と財政再建を同時にすすめる
角野候補は、まず「財政計画」をつくり、それに基づく市政運営を行います。すぐにやらなければならない政策課題には、当面の財源を確保し、さらに、市民生活を守る財政の基本計画を定めます。
① 被災者と市民の直面する切実な要求を実現するために、無理な積立を数年やめる、市の積立金(基金=総額2930億円)の一部を活用する。
・被災者の医療費・介護料の免除に要する経費は、市の負担分が15億円。
・敬老パスを昨年10月の改定前に戻すのに6億円。
・子ども医療費を通院、入院ともに中学生まで無料にするのに12億円。
市は、地下鉄東西線建設や地下鉄の借金返済のために毎年40億円前後を積み立てています。この新たな積み立ては当面凍結し、市民の緊急要求に振り向けます。すでに地下鉄積立金は、480億円に達しており、積み立てを一時凍結しても、地下鉄建設には、影響ありません。
市の積立金総額2930億円のうち、地下鉄基金以外にも、財政調整基金189億円、震災復興基金168億円など、一部を活用できる基金があり、その総額は、2000億円にのぼります。この一部を活用しながら、市民生活を守ります。
② 公共事業計画を見直し、優先順位を決め、急ぐ必要のないものは凍結する。
市民生活の支援を重点的、継続的に強めていくためには、市の財政運営を改革しなければなりません。身の丈以上の公共事業を借金で進め、建設費と返済額で予算を圧迫し、市民に犠牲を負わせるという古い政治を刷新することです。公共事業は優先順位をつけて絞り込み、借金も抑制しながら、財政再建をすすめていきます。
市が発注・委託する事業は、保育所や特養ホーム建設、生活道路整備、放射能除染など、生活密着型の公共事業を中心にすえ、それを地元業者に優先発注し、そこで働く人たちの賃金を時給1000円以上にします。そうして、市民が納める税金を地元業者と市民の間に循環させ、地域経済活性化に有効活用します。それは、税収増をもたらし、市の財政再建にもつながります。
③ 国に強く働きかけ財政措置を引き出す。
政府が自治体に出している地方交付税(自由に使えるお金)の削減や国民健康保険会計への国負担金削減が、市の財政運営に大きな困難をもたらしています。保育予算では、運営費への補助金が廃止され一般財源化されました。また公立保育所建設などへの国補助金がなくされました。震災復興では、国が財源を手当するのが基本なのに、逆にどんどん手を引くありさまです。
市民の生活支援を市が 率先して進めながら、国の財政措置を引き出します。
市民が元気になる復興と未来へ向かって
個々の政策でも、財政運営のあり方でも、両候補の違いは明快です。奥山候補は「復興の先を見据える」と言っていますが、その財政運営を進めていけば、「復興の先」には、借金づけと市民犠牲が確実に待っています。
変えるのは、いまです。角野市長を誕生させ、市民生活と地域経済を再建し、市民が元気になる復興と未来に向かってごいっしょに進みましょう。
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